こんにちは、
目黒モナーク動物病院、院長の佐藤です。
「吐いてしまったのですが、様子をみても大丈夫でしょうか」
飼い主様から電話で聞かれることが、多々あります。
獣医師からは、
まず、
吐いた回数、
何を吐いているのか、
どんな色か、
元気や食欲はどうか、
排便排尿、
食べたものは何か、
食べてはいけないものを口にしていないか、
など、お聞きしています。
人間は意思表示ができ、自分で対応することもできますが、
動物たちはどうでしょうか。
そわそわしている、
うずくまって寝ている、
食欲がなさそう、
など、日頃とは違う様子がみられたとしても、
動物たちは話すことができないため、
気持ち悪いかどうかは、
症状がでてから気がつくことになってしまい、
人間よりも治療をするタイミングが遅くなってしまいます。
様子をみていいのか悩まれたときには、
様子を見るのではなく、動物病院につれていきましょう。
「吐く」、原因はさまざまです。
異物、
中毒、
消化器の炎症、
脳・神経疾患、
ストレスなど・・・・
何が原因で吐き気が起こっているのか、原因をはっきりさせることが重要となります。
「吐く」は、「吐出」と「嘔吐」とがあります。
「吐出」は、
胃まで到達する前に消化されていない内容物を吐き出してしまいます。
食道の炎症や口の中の炎症、腫瘍などさまざまな原因があります。
「嘔吐」の場合は、
体内に入り込んだ異物や、毒性のあるものを体外に排出するための防御反応として吐く場合や、
胃自体が何かの原因で刺激されれば吐きますし、胃よりも下の消化管の通りが悪いときにも吐きます。
頭には、吐くことを指令する嘔吐中枢がありますが、ここが何かで刺激されても嘔吐が起きます。
急性的な胃炎、胃潰瘍、腸閉塞症のほか、脳腫瘍が原因で起こるケースもあり症状の奥に重大な病気が隠れていることがあります。
「吐く」という症状が、「吐出」であるか「嘔吐」であるかによって原因が違うため、
行う検査の順番や処置が異なってきます。
何が原因で吐き気が起こっているのか、原因をはっきりさせることが重要となります。
対応が遅れて命に関わってしまう病気もあります。
そのため、
レントゲン、
超音波、
血液検査、
糞便検査、
尿検査、
内視鏡などを行い、
どのような原因で発症しているのかを検査をして
治療をしていくことが重要となります。
ふらふらして、
よだれが多い、
吐き気が止まらず、
下痢もするようになってきた、
吐いたあと、元気がないようにみえる、
吐き気があるようにみえる、
嘔吐が続く・・・・
などの症状がある場合は早めに対応しましょう。
「吐く」が続くと、
体内に必要な栄養素が行き届かなくなり、
脱水や体重減少が起こるほか、
嘔吐物を誤嚥して肺炎を引き起こす場合もありますので、ご注意ください。
また、比較的多いケースでは
「吐くことはいつもだから」と放置されてしまっていることがあります。
今回は「吐く」について、お伝えしましたが、
「いつものこと」だからこそ、検査と治療をおすすめします。