甲状腺と副腎は、二つとも小さい内分泌の臓器ですが、どちらも体内で重要なホルモンを分泌する小さな器官です。
これらの器官が正常に機能することで、動物の健康が維持されます。今回は、それぞれの役割や関連する病気についてご紹介します。
甲状腺と副腎の役割
甲状腺ホルモンは、身体の代謝を促すホルモンです。
副腎ホルモンは、体内の血糖値、水分量、塩分量などを一定に保つ重要な役割を果たしています。
これらのホルモンの分泌異常が生じると、次のような症状が現れることがあります。
- 元気がない
- 覇気がない
- ふるえ
- 脱毛
- 多飲多尿
- 皮膚病
- 多食
- 腹囲膨満
副腎ホルモンが低下するとショック状態に陥ることもあり、命にかかわる緊急治療の対象になることもあります。
また、他の病気の検査をしていて発見されるケースも多くあり、合併症として問題になることもあります
ワンちゃんでは中高齢期に甲状腺機能低下症や副腎機能亢進症(クッシング症候群)が、
ネコちゃんも同じく中高齢期に甲状腺機能亢進症が見られることが多いです。
疾患を放置すると、最終的には命を脅かす合併症を引き起こすこともあります。
甲状腺疾患の治療には、主に以下の方法が用いられます。
- 投薬治療
- 食事療法
- 外科手術(必要に応じて)
副腎の疾患の治療は病因により外科手術、放射線治療、投薬治療となります
定期的な健康チェックの重要性
甲状腺や副腎の病気は、他の病気の検査中に偶然発見されることも少なくありません。
特に、6~7歳以上のワンちゃんやネコちゃんには、これらの器官の機能を半年に1回はチェックすることをおすすめします。
少しでも気になる症状がある場合は、早めにご相談ください。
大切な家族の一員であるペットの健康を守るために、定期検診を習慣にしましょう。