内分泌疾患

内分泌疾患について

内分泌の疾患にはさまざまな病気があります。
動物の内分泌の疾患には、糖尿病や副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能亢進症などホルモンバランスの異常が原因となる様々な病気があります。近年、動物においても、高脂肪食や運動不足などの生活習慣により、糖尿病や高脂血症、肥満などのいわゆる生活習慣病が増えてきています。

動物は病気の症状を隠しますので、日常の中でなかなか気づくことが難しく、気がついたときにはかなり病状が進んでいることが多くみられます。動物の高齢化に伴い、さまざまな生活習慣病があり、健康で長く生活をしていくために早期に発見し、治療をしていくことをおすすめします。

内分泌腺の病気を「内分泌疾患」と呼び、甲状腺、下垂体、副甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣などが内分泌腺に当たります。
内分泌腺とは「ホルモン」という生体内の生きていくのに必要な体内の活動)に関わる微量物質を合成・分泌している臓器です。

消化器の主な疾患

  1. 内分泌疾患の主な病気
  2. 甲状腺機能亢進症および低下症(甲状腺)
  3. 卵巣、精巣ホルモン(性ホルモン)が引き起こす皮膚疾患、ヘルニア
  4. 高脂血症
  5. 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
  6. 副腎皮質機能低下症(アジソン症)

こんな症状がある場合はご相談ください

  • 最近よくお水を飲む
  • たくさんおしっこをする
  • 何となく元気がない
  • 食べているのに痩せてきた、太ってきた…
  • なかなか痩せられない
  • おなかが膨らんでるようにみえる
  • 走りまわることがなくなってきた

内分泌腺の診断にはさまざまな検査が必要になります

ホルモンを分泌する内分泌腺に異常があると、ホルモン量が多くなったり少なくなったりします。その原因として、内分泌腺の萎縮、過形成、腫瘍などが考えられます。
甲状腺、下垂体、副甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣などが内分泌腺に当たりますが内分泌腺の診断にはさまざまな検査が必要となります。

検査についてはこちら

動物たちの生活の質を下げないようにそれぞれに合った治療法を

動物たちの症状や状態はそれぞれ違います。飼い主さまの生活環境も違います。
内分泌疾患に患うと長期にわたっての治療となります。その為、飼い主さまのライフスタイルを考慮し、動物たちの生活の質を下げないようにそれぞれに合った治療法を考えていきます。治療のコントロールは飼い主様と二人三脚で向き合うことにより動物たちの生活を守ることにつながります。
定期的に、身体検査や血液検査を行って、治療のコントロールをしていきましょう。

ホルモン検査の重要性

当院では甲状腺ホルモンの疾患、副腎皮質ホルモンの疾患などのコントロールに対応できるように検査機器を導入しています。

甲状腺ホルモンの疾患、副腎皮質ホルモンの疾患など特殊な血液検査(ACTH刺激試験、デキサメサゾン抑制試験)が必要となります。

ホルモン検査は個体に合わせた治療薬を考え、適切な治療をするために検査をおこないます。検査の結果に合わせた投薬量が重要ですので、早期に検査結果を得ることが重要になります。検査結果がその場で分かるので、個体にあった投薬量を調節することができます。

内分泌疾患①

糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなる病気です。

血液中のブドウ糖の割合を血糖値と呼びます。ブドウ糖は生きていくための大切なエネルギー源として血液中に存在します。このブドウ糖の割合である血糖値を一定の範囲でおさめるために血糖を下げる働きのあるホルモンであるインスリンが膵臓で作り出されて血糖の割合を正常範囲に保つ役割をしています。

膵臓から出ているインスリンの役割が正常に保てなくなると、ブドウ糖をうまく血液中から体内に取り込めなくなってしまいます。血管の中は血糖値が高い状態が続きます。 血糖値が高い状態がつづきますと、血管を傷つけ負担を与えるため、さまざまな病気を糖尿病による合併症を引き起こしてしまいます。

糖尿病のコントロールには飼い主さまとの連携が必要です。

糖尿病の治療コントロールはヒトも動物も同様に血糖に影響を与える様々な要因である食事や運動である生活習慣と治療薬などです。人は病気をよく理解して、糖の需要と供給のバランスをうまくとっていくことを自分自身のために日々注意ができます。

また、治療に関しても血糖値の反応の中で、めまいや倦怠感、動機、眠気など自分自身で感じることができます。動物の場合は治療の反応を聞くことができず、症状がでてから対処することになるケースも少なくありません。糖尿病の治療コントロールの中で低血糖の症状は神経症状として脱力、麻痺、運動失調、発作、けいれんなどが起こります。

人のように話すことができないため、飼い主さまは症状がでると不安な状況になります。糖尿病のコントロールを良好に保つには飼い主さまとのコミュニケーションが必要不可欠となります。糖尿病をよく理解して食事、運動、治療薬など飼い主さまと一緒に考え日常の生活を維持できるようにサポートしていくことを大切にしています。

内分泌疾患②

甲状腺機能亢進症および低下症

甲状腺ホルモンとは

体の大部分の細胞は、古くなった細胞を新しい細胞に変わりながら体を維持しています。甲状腺ホルモンには、体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならないホルモンです。

甲状腺機能亢進症とは、血中の甲状腺ホルモン作用が必要よりも上昇した状態です。

こんな症状がある場合はご相談ください

  • 脱毛などの皮膚病
  • 食事量に比べて体重減少
  • 食事をしても食べたがる
  • 食欲がないようにみえる
  • 水を飲む量が増えている
  • おしっこの回数が多い
  • 下痢や嘔吐をくりかえす
  • 攻撃的な行動をするようになってきた
  • 寝てばかりいる

特に高齢の猫では、犬に比べて甲状腺機能亢進症が多くみられます。

甲状腺機能低下症とは、血中の甲状腺ホルモン作用が必要よりも低下した状態です。

こんな症状がある場合はご相談ください

  • 脱毛などの皮膚病
  • 皮膚が黒ずんできた(皮膚の色素沈着)
  • 頭が傾くなどの前庭疾患
  • 食事量に比べて体重増加
  • 全体的に浮腫んだような状態
  • 散歩に行きたがらない
  • 散歩に行きたがらない
  • 寝てばかりいる
  • 発作

犬の甲状腺機能低下症は脱毛などの皮膚症状で発見されることが多いです。

内分泌疾患③

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎は重要な器官です。副腎は、腎臓の近くにあるとても小さな臓器で、様々なホルモンを分泌し、生体を維持している器官です。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)とは

クッシング症候群とは腎臓のそばにある副腎(ふくじん)から分泌される「コルチゾール」というホルモンが出すぎて、体に悪影響を与えている状態をいいます。症状が進行すると免疫力が低下し、皮膚炎や膀胱炎などにかかりやすくなったり、糖尿病などの病気を併発したりするので注意が必要です。

こんな症状がある場合はご相談ください

  • 肥満
  • 脱毛などの皮膚病
  • 頭が傾くなどの前庭疾患
  • 全体的に浮腫んだような状態

このような検査をします

副腎皮質機能亢進症を診断するための検査には、特殊な血液検査(ACTH刺激試験、デキサメサゾン抑制試験)と、特殊な尿検査(尿中コルチゾール・クレアチニン比)があります。

血液検査で血中のコルチゾール値の測定。それと同時に、尿検査によって尿中コルチゾールを測定します。過剰分泌の原因を確かめるため、全身の画像検査によって副腎腫瘍や下垂体腺腫の大きさ・位置を確認します。

副腎皮質機能低下症(アジソン症)

副腎皮質機能低下症(アジソン症)とは

クッシング症候群とは反対にアジソン症は副腎皮質で産生されるホルモンが低下することで起こります。このホルモンが正常に働かなくなる原因には、ウイルス・細菌による感染症、または自己免疫異常などが考えられます。また、がん細胞の転移や副腎皮質の出血によって発症することもあります。急性の場合はショック症状を起こし死にいたることもあるので注意が必要です。

こんな症状がある場合はご相談ください

  • 多飲多尿
  • 腹部膨満
  • 脱毛
  • 下痢の症状が続く
  • 毛づやが悪くなってきた
  • 元気がないようにみえる

このような検査をします

副腎皮質ホルモンの低下や症状の原因を突き止めるために、血液検査や尿検査・画像検査・ホルモン値測定などを行います。

血液検査では、血液中の副腎皮質ホルモンと副腎皮質刺激ホルモンの値や電解質の値を、尿検査では尿中に含まれる副腎皮質ホルモンの値を確認します。副腎皮質に対する抗体検査を行ったりすることもあります。

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