日々の生活環境をみなおすきっかけに。
病気を患う前に全身の健康状態を評価し、健康であるかどうかを目的とした「健診」を行うことにより、通常の健康状態を把握しておくことができます。
この評価は何かあった時に役立つ情報のひとつでもあります。
病気を患う前に「健診」を行うことにより、健康な日々を過ごすために生活習慣病など理解しながら予防をしていきましょう。
話すことができない動物たちに代わり、健康を維持するためには飼い主さまの意識が必要となります。
生活習慣病とは
運動習慣や食生活などの生活習慣によって引き起こされる病気を「生活習慣病」と呼びます。運動不足や栄養過多は肥満の原因にもなり、それに伴う多くの病気になる可能性がでてきてしまいます。
カラダを動かしてストレスを発散できていない環境は動物にとって慢性的なストレスになります。ストレスは人と同様に免疫力を下げるため、病気の原因のひとつとなりますので注意が必要です
食べ物の与え過ぎは肥満を引き起こします。肥満によって、糖尿病や高脂血症、高血圧などの病気を引き起こす原因となるため注意が必要です。また、塩分が多い食事は、心臓病や腎臓病にも影響します。
「フィラリア健診」による定期健診
当院では、フィラリア投薬の前の「フィラリア寄生確認検査」の際に、【春のフィラリア健診】として、基本的な生活習慣病のチェックを行っています。生活習慣の改善に踏み出すきっかけにしましょう。
健康時の評価があると役立ちます。
通常の健康状態を把握しておくで、具合が悪くなった時に毎年行った検査結果が診断に役立つ情報のひとつでもあります。
病気の早期発見につながります。
病状を話せない動物たちは、飼い主さまが気づいたときには症状が進行していることが多いため、「健診」を行うことにより、早期発見につながります。
1年で4~5歳、年齢を重ねていくといわれています。
当院では、飼い主さまとともに年齢や今後のありえる病気などを考えながら年1回~2回の「健診」を行う提案をしています。
「定期健診」で行う血液検査
血液一般検査では、数多くの病気のリスクについて調べることができます。具体的には、肝臓・腎臓・内分泌の異常、貧血、脂質異常症、糖尿病などです。
検査名 | 検査項目 | 内容 |
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血液検査① | 貧血:RBC、Hb、WBC、HT、血小板 肝機能:GOT、GPT、GGT 糖尿:血糖、HbA1c 糖化アルブミン 血中脂質:TG、HDL-CHO、LDL-CHO 電解質:Na・K・Cl |
基本的な血液の異常、肝機能、糖尿病、高脂血症をチェックする検査です。 |
血液検査② | ※血液検査①に下記が加わった検査です。 肝機能:TP・ALP・ALB・T-Bil・ChE・TBA 腎機能:尿酸・尿素窒素、クレアチニン・SDMA 膵機能:V‐LIPA 膵特異的リパーゼ・アミラーゼ 甲状腺機能:T4 ft4 TSH |
①に加えてさらに細かく「肝機能」「腎機能」「膵機能」「内分泌機能」を検査します。 |
一口にワクチンと言っても様々な種類があります。当院では飼い主さまの生活環境にあわせてワクチンの種類を選択していただいております。
当院のワクチネーションの取り組み
世界小動物獣医師会(WSAVA)の犬と猫のワクチネーションガイドラインに従い、動物に負担の少ないワクチンプログラムを取り入れています。ワクチンの接種回数を減らすことでアレルギーなど副作用のある犬の負担を減らすことで動物にやさしいワクチンプログラムを提供していきたいと考えています。
コアワクチン・ノンコアワクチンと非推奨ワクチンによる予防の違い
ワクチンには、コアワクチン・ノンコアワクチンと非推奨ワクチンに分類されます。コアワクチンは免疫が長期間持続でき、ノンコアワクチンは持続が短い為、感染のリスクに応じて接種するワクチンです。非推奨ワクチンはガイドラインとしてはワクチン接種を推奨しないものです。
お住まいの地域や生活環境によって、どのワクチンの接種が当てはまるかワクチンの効果や抗体検査の間隔についてはご説明をしながら飼い主さまと今後のワクチネーションを検討しています。詳しくはご相談ください。
犬ジステンバー
犬パルボウイルス感染症
犬伝染性肝炎(アデノウィルスⅠ型)
全ての犬必要なワクチンです。
3年に1回の接種を推奨しています。
犬レプトスピラ感染症
パラインフルエンザウイルス感染症
犬伝染性咽頭気管支炎(アデノウィルスⅡ型)
犬コロナウィルス感染症
生活環境にあわせて必要なワクチンです。
1年に1回の接種を推奨しています。
【非推奨ワクチン】WSAVAガイドライン非推奨
犬コロナウィルス感染症。ガイドラインにより当院では行っておりません。
世界小動物獣医師会(WSAVA)の犬と猫のワクチネーションガイドラインに従い、子犬・子猫の幼少期のワクチン接種を初年度最終接種16週齢以降に行い、その後4週前後に抗体検査を実施いたします。
抗体検査が陽性であることが確認できた場合は3年毎のワクチン接種に移行となります。
からだの中に細菌やウイルスなどが入ってくると,これに抵抗してからだを守ろうとする働きがあります。このときに働く物質のことを『抗体』と言います。
ワクチンを接種することによりウイルスや細菌(病原体)に対する免疫(抵抗力)を作るのですが、この免疫は個体差がありますので、免疫が低下することもあります。抗体検査によって、免疫の程度を調べます。
ワクチンの効果はそれぞれ違いますので抗体検査は定期的に行います。
ワクチンの効果や抗体検査の間隔についてはご説明をしながら飼い主さまと今後のワクチネーションを検討しています。
子犬のワクチネーション
2カ月で初回、3カ月以降で2回目の接種(生後16週齢になるまで接種)
成犬のワクチネーション
・コアワクチンは子犬のときの最終接種から1か月後に抗体検査
・陽性の場合1年後に接種
・その後コアワクチンは3年に1回接種
※3年に1回のワクチンで、それ以上は必要がないということではなく、トリミングやドッグランや自然が多いところへキャンプに出かけるなど生活環境によって必要なワクチンを提案しています。
ワクチンを接種することにより、あらかじめウイルスや細菌(病原体)に対する免疫(抵抗力)を作り出します。このワクチンによる免疫によって感染症の発症あるいは重症化を予防することができます。
多くの動物が予防接種を受けることで免疫を獲得していると、集団の中に感染症を患っている動物がいても感染を阻止することができる「集団免疫効果」が発揮されます。
また、高齢に伴い、疾患によって、ワクチン接種することができない動物を守ることにもつながります。当院の「予防医療」の観点から推奨し、地域の動物たちを守ることにもつながると考えています。
ウイルスや細菌などの微生物が体内に入り、体内で増加することにより発症する病気のことです。微生物の種類によってさまざまな症状が出現します。
予防できる感染症
犬ジステンバー (コアワクチン) |
高熱、目ヤニ、鼻水が出て、元気や食欲もなくなり、嘔吐や下痢もします。また、病気が進むと神経系がおかされ、麻痺などの後遺症が残る場合があります。死亡率の高い病気です。 |
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犬パルボウイルス感染症 (コアワクチン) |
激しい嘔吐、下痢を起こし、食欲がなくなり、急激に衰弱します。重症になると脱水症状が進み、短時間で死亡することもあります。死亡率の高い病気です。 |
犬伝染性肝炎 (アデノウィルスI型) (コアワクチン) |
発熱、腹痛、嘔吐、下痢が見られ、目が白く濁ることもあります。生後1年未満の子犬が感染すると、まったく症状を示すことなく突然死することがあります。 |
犬伝染性咽頭気管支炎 (アデノウィルスⅡ型) (ノンコアワクチン) |
発熱、食欲不振、くしゃみ、鼻水のほか、短く乾いたせきが見られ、肺炎を起こすこともあります。他のウィルスとの混合感染により症状が重くなり、死亡率が高くなる呼吸器病です。 |
犬レプトスピ染症 (ノンコアワクチン) |
レプトスピラには、カニコーラ、イクテロヘモラージ、ヘブドマディス、コペンハーゲニーなどがあります。嘔吐、下痢、黄疸、多飲多尿など消化器疾患、肝疾患、腎疾患に関連する多くの症状がみられます。人にも感染します。 |
ワクチン予防の中にズーノシス(人畜共通感染症)が存在します。
幸いなことにレプトスピラの発症率はあまり多くありません。また、ワクチンで予防が可能ですので、実際にはあまり見かけない感染症ですが、人にもうつることを考え予防をおこないましょう。
ワクチン接種時に注意していただきたいこと
※ワクチン接種は接種後に注意が必用です。できるだけ「午前中の来院」をお願いします。体調のよい日を選んでください。
狂犬病予防注射の義務
生後91日以上の犬には毎年1回狂犬病予防注射を受けることが狂犬病予防法で義務づけられています。
ズーノシス(人畜共通感染症)の1つです。狂犬病は、全てのほ乳類にうつります。世界的に見ると、現在狂犬病の発生報告がない国は、日本、イギリス、スウェーデン、ノルウェー、ニュージーランドなど、ほんの数カ国です。日本への狂犬病のまん延を防ぐ意味でも、必ず毎年1回狂犬病予防注射を受けてください。
毎年4月に、目黒区の「狂犬病予防集合注射週間」を実施します。この期間内に、区の提携の動物病院で狂犬病予防注射を受けると、「狂犬病予防注射済票」の発行を受けることができ、注射と登録・注射済票の手続きが一度にできますので、ご利用ください。
【海外から輸入・転居された方へ】
日本の法律(狂犬病予防法)は、犬には毎年1回狂犬病予防注射を受けさせることを飼い主さまに義務づけています。外国で3年間効力のある注射を受けた場合でも、毎年1回狂犬病予防注射を受けてください。
フィラリアとは
蚊に刺されることでソーメンのような虫(フィラリア)が心臓や肺にいく血管(肺動脈)に寄生する寄生病虫です。犬や猫、フェレット、サルなどさまざまな動物にかかります。確実に予防してフィラリアに感染しないよう予防しましょう。
フィラリア検査とは
予防する前に安全に薬が飲めるか血液検査が必要です。年に1度はフィラリアを含めた健康チェックをして適切な予防をしてください。
既にフィラリアに感染していて血液中にミクロフィラリア(フィラリアの子虫)がいる犬に予防薬を投与すると副作用が出る場合があります。 副作用は元気や食欲がなくなったり、場合によっては死亡にいたるケースのものまでさまざまです。安全のため予防薬をお渡しする前に血液検査でミクロフィラリアの確認を行う必要があります。
投薬の種類
予防薬には、さまざまな種類があります。生活環境などのお話を伺い、最適な予防薬を提案しています。
予防期間 | 5月~11月下旬 |
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予防方法 | 月1回 |
投薬タイプ | おやつタイプ・錠剤タイプ・背中に滴下するスポットタイプ |
ノミの被害
ノミアレルギー皮膚炎 | 吸血によりアレルギー反応が起こり、激しい皮膚炎を示します。一度アレルギーになってしまうと、わずかなノミの寄生でも皮膚炎を起こします。 |
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サナダ虫(爪実条虫) | 小腸に寄生する寄生虫です。下痢、嘔吐の原因になります。 グルーミングで感染します。 |
貧血 | 仔犬、仔猫の場合、大量寄生によって貧血を起こす場合もあります。 |
猫引っかき病 | バルトネラ菌によって起こる病気です。猫についたノミが菌を媒介し、感染した猫に人が引っかかれると、リンパ節が腫れたり、発熱、頭痛などの症状を表します。 |
マダニの被害
重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) |
主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症です。 発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)、時に頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血性症状がみられます。 |
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犬パペシア症 猫ヘモバルトネラ症 |
マダニやノミが媒介する感染症で、動物の赤血球に寄生し、赤血球を破壊し、貧血、発熱、死に至ることもある恐ろしい病気です。 |
ライム病 | マダニから動物、人に感染します。神経症状、発熱などの症状がみられます。 |
炎症性肉芽腫 | マダニの咬傷から起こる病気です。 |
貧血 | ノミ同様、大量寄生により仔犬のみならず成犬でも貧血を起こします。 |
※成虫ノミが5匹付いていたら、周囲の環境には95匹の未成熟ノミが潜んでいます。また、マダニを発見したら決して無理にとらないでください。咬傷が化膿したり、炎症を起こしたり、病原体をうつしたりします。もし、ノミ・マダニを見つけたら、すぐにご相談下さい。
月1回の駆除でノミ対策を
ノミは、梅雨の前後から活発に発生・繁殖し始めますが、住宅環境の快適化によって、ほぼ年間を通じて生息しています。ノミは温度18~27℃、湿度75~85%が好ましい環境条件といわれ、そうした環境下では季節を問わず繁殖力を見せます。1匹でもノミ成虫の寄生が見つかった場合は、部屋中にすでに大量のノミの卵、幼虫、サナギがいる可能性があります。
このような場合、ノミを媒介して瓜実条虫に感染するリスクも高まりますので月1回の駆除薬の投与が効果的です。
月1回の駆除でマダニ対策を
マダニは、春から夏にかけて成ダニの活動が活発になり、秋から冬は卵からふ化したダニが増えます。そのため年間を通じた予防対策が必要です。お散歩でいく公園や草むらなどにひそんでいるため、なるべく、近づかず、自然の多いところに出かける場合は駆除薬を予防してからお出かけください。
病気を未然に防ぐための「予防」に重点をおいています。
手術の必要性
避妊手術は子宮の病気、乳がん、不必要な出産の防止、去勢手術はマーキングや夜鳴きなどの好ましくない行動や前立腺疾患を予防するのに役立ちます。
また、ホルモンによってバランスが崩れ、いろいろな問題やストレスが起こりやすくなります。
いろいろな問題を予防というかたちで、防ぐことができますので病気になる前にお考えください。不安なことなどお気軽にご相談ください。
避妊手術で予防できる病気
子宮蓄膿症や卵巣および乳腺の腫瘍を高い確率で予防できます。乳腺腫瘍の予防は手術の時期が重要になりますのでご相談ください。
はじめての発情期を迎える前が理想ですが、タイミングが合わないこともありますので、ご相談ください。
全身麻酔を行う上で手術当日に、身体検査に加え、血液検査やレントゲン検査を行います。異常がみられた場合はすぐにご連絡いたします。
去勢手術で予防できる病気
前立腺疾患・会陰ヘルニア・睾丸腫瘍・性ホルモンによる腫瘍などの予防につながります。ストレス軽減や問題行動の改善にもつながります。
思春期を迎える前が理想ですが、去勢によるメリットとデメリットを十分に考え選択することをお勧めします。悩まれている方はご相談ください。
全身麻酔を行う上で手術当日に、身体検査に加え、血液検査やレントゲン検査を行います。異常がみられた場合はすぐにご連絡いたします。
当院では英国GYRUS Medical社製PKsystemを導入し、去勢・避妊手術は無結紮法による手術を基本としています。学会や論文などで、体内に残した縫合糸が引き起こす「縫合糸反応性肉芽腫」という病気が報告されています。
無結紮手術とは、卵巣、子宮や精巣の切除時に縫合糸などを用いず腹腔内に一切体内で反応する異物を残さない方法です。特殊なシーリング電気メスで縫合糸の代わりに止血します。これにより「縫合糸反応性肉芽腫」の心配はなくなります。
マイクロチップの必要性
突然の迷子、災害、盗難、事故…ペットは住所も名前もいえません。そんなとき、マイクロチップは確実な身元証明になります。
マイクロチップとは
マイクロチップは、直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形の電子標識器具で、内部はIC、コンデンサ、 電極コイルからなり、外側は生体適合ガラスで覆われています。
それぞれのチップには、世界で唯一の15桁の数字(番号)が記録されており、この番号を専用のリーダー(読取器)で読み取ることができます。
安全で確実な動物の個体識別(身元証明)の方法として、ヨーロッパやアメリカをはじめ、世界中で広く使われています。
わが国でも、近年犬や猫などのペットを中心として利用者が増加しています。
マイクロチップによる個体識別
・動物愛護管理法では、犬や猫などの動物の所有者は、自分の所有であることを明らかにするために、マイクロチップの装着等を行うべき旨が定められています。
・特定動物(危険な動物)や特定外来生物を飼う場合には、マイクロチップの埋込みが義務づけられています。
・犬や猫を海外から日本に持ち込む場合には、マイクロチップなどで確実に個体識別をしておく必要があります。また、海外に連れて行くときには、マイクロチップが埋め込まれていないと持ち込めない国があります。
飼い主データなどの登録の方法
・マイクロチップの番号と飼い主の名前、住所、連絡先などのデータを、飼い主が「動物ID普及推進会議(AIPO)」のデータベースに登録します。登録料は1千円です。
・特定動物(危険な動物)や特定外来生物を飼う場合には、別途、特定動物の場合はお住まいの都道府県又は政令市に、 特定外来生物の場合はお近くの地方環境事務所にマイクロチップの番号などを報告する必要があります。
埋込みの方法
・通常の注射針より少し太い専用のインジェクター(チップ注入器)を使って体内に注入します。正常な状態であれば、 体内で移動することはほとんどありません。
・痛みは普通の注射と同じくらいといわれており、鎮静剤や麻酔薬などは通常は必要ありません。
・埋込場所は、動物の種類によって異なりますが、犬や猫の場合では、背側頚部(首の後ろ)皮下が一般的です。
・犬は生後2週齢、猫は生後4週齢頃から埋込みができるといわれています。
〒152-0003 東京都目黒区碑文谷5-29-8 アクセス
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