各種疾患検査

各種検査の種類と内容

01. 血液一般検査

血液検査をする目的

健康診断や病院で行われる血液検査。血液検査はどのような目的で行われるのでしょうか?

  • 病気の早期発見

    貧血や白血病、その他臓器の異常など、疾患の有無を早期に発見するために血液検査を行います。

  • 治療方針の確定

    血液内に含まれる成分、量等を調べることで、疾患の診断や治療方針の決定にあたって有益な情報を得ることができます。

  • 治療状況の確認

    治療中の疾患の経過観察、治療効果の確認にも有効です。

血液は体の原動力となっており、それぞれの器官が働くためには正常な血液が必要です。血液検査全般の結果から、数多くの病気のリスクについて調べることができます。具体的には、肝臓・腎臓・脾臓の異常、貧血、感染、炎症、糖尿病、脂質代謝異常症などです。各血液検査により次のような病状がわかります。

検査名 病名
血球計数検査でわかる主な病気 貧血、白血病、血小板減少症など
血液凝固検査でわかる主な病気 凝固異常、血栓症、血友病、 播種性血管内凝固異常など
生化学検査 糖尿病、肝機能障害、腎機能障害、膵炎など
内分泌検査でわかる主な病気 甲状腺疾患、副腎疾患など

02. 内分泌疾患に必要な検査

検査名 検査内容
甲状腺ホルモン検査
(T4、FT4、TSH)
甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症の診断をします。
副腎皮質ホルモン検査 血液検査で血中のコルチゾール値の測定。
血液検査(血糖値) 血液を採取した時点での、血液のブドウ糖の濃さ(血糖値)によって糖尿病の診断をします。
超音波検査 甲状腺の大きさの測定や腫瘍化していないかなどを判断します。副腎腫瘍や下垂体腺腫の大きさ・位置を確認します。
レントゲン検査 全身への転移、特に肺やリンパ節への異常が分ります。
尿検査(副腎) 尿中コルチゾールを測定。
尿検査(血糖値) 尿中血糖値を測定。
副腎検査

診断は血液中のコルチゾール値を測り、また超音波検査で副腎の状態をチェックします。さらに、過剰分泌の原因を確かめるため、全身の画像検査によるCTやMRIで脳下垂体に腫瘍があるかを調べます。

03. 腎臓・泌尿器疾患に必要な検査

検査名 検査内容
血液検査
(血中尿素窒素)
(クレアチニン値)
血液中に含まれる窒素量(BUN)を調べる検査です。血清クレアチニン値が分かると、腎臓の機能を数値的に確認できます。
SDMA 腎機能の低下の早期発見につながります。
尿検査 タンパク質や血液が漏れ出ていないかを検査します。尿比重は腎臓機能の指標となります。
超音波検査 腎臓の形、腎臓の血流、大きさや合併症(腫瘍や結石など)の有無を調べます。膀胱粘膜の厚さ、腫瘍、結石なども調べます。
レントゲン検査 腎臓、膀胱の形、大きさや合併症(腫瘍や結石など)の有無を調べます。
腎機能検査

定期健診などで一般的に行われる検査です。さまざまな値を調べて腎臓の機能を確認しますが、そのなかでも大切なのが血清クレアチニン値です。血清クレアチニン値が分かると、腎臓の機能を数値的に確認できます。

04. 消化器系疾患に必要な検査

検査名 検査内容
便一般検査
直接法・浮游法
消化管内寄生虫感染や消化管内細菌の異常増殖の有無を調べます。
便一般検査
糞便グラム染色検査
消化管内の細菌のバランスや異常増殖の有無を調べます。便中の消化しきれていない成分を検出する検査です。
犬下痢パネル10項目 ウイルス・細菌・原虫など異なる種類の病原体を一度に検査ができます。※外注検査
猫下痢パネル8項目 ウイルス・細菌・原虫など異なる種類の病原体を一度に検査ができます。※外注検査
胃・十二指腸
内視鏡検査
食道・胃・十二指腸を観察します。必要に応じて細胞検査を追加する場合があります。
大腸内視鏡検査 大腸の中を観察します。
腹部超音波検査 肝臓・胆のう・腎臓・膵臓・脾臓などのエコー検査です。脂肪肝や腫瘍、結石などの有無を調べます。
バリウム検査 胃バリウム検査は、胃を含む上部消化管全体の健康状態を調べるのに役立つ検査です。
レントゲン検査 腹腔内に異常が無いかどうかを調べるための一番基本的な検査です。腹部臓器の状態、腸閉塞や腸管穿孔、便秘や異常なガスや腹水、結石の有無などがわかります。
犬アレルギー検査 消化器症状(嘔吐、軟便、下痢)にはリンパ球が関連するものと、IgEが関連するものがあります。
犬猫の膵炎のマーカー 膵炎の診断のための検査です。※外注検査
犬猫の膵炎のマーカー 膵特異的リパーゼ簡易測定キットです。
消化器系腫瘍(食道、胃、大腸、直腸腫瘍など)

内視鏡による早期発見が大切です。症状がなくても定期検診をおすすめします。

05. 心臓・呼吸器疾患に必要な検査

心臓検査
検査名 検査内容
心臓超音波検査 超音波を用いて心筋運動、弁機能、ポンプ機能を調べる検査です。心筋虚血と心不全の評価、弁膜症と心筋症の発見に役立ちます。
胸部レントゲン検査 胸部のレントゲン写真を撮影する事により、心臓の陰影(大きさ・形)、肺や気管、胸水の有無などを評価できます。また、先天的な心臓の異常の発見に役立ちます。
心電図検査 体表に付けた電極により心臓の電気的興奮を波形としてとらえる検査です。脈の異常、心臓肥大、虚血性心臓病とくに心筋梗塞の有無などが判ります。
血圧測定 最高血圧、最低血圧を計ります。(狭心症、心筋梗塞など)
バイオマーカー
CardiopetproBNP
心臓への負荷を数値化する検査です。聴診や画像診断等の情報と合わせることでより正確な心疾患のリスク評価が可能となります。※外注検査
心臓超音波検査

心臓に超音波をあてることにより体表面から心臓や血管を画像にして表す検査です。痛みや放射線被爆のない安全な検査です。弁膜症、心臓肥大、虚血性心疾患、肥大型・拡張型心筋症、先天性心疾患などや心臓機能が判ります。

呼吸器系検査
検査名 検査内容
胸部レントゲン検査 肺の腫瘍、炎症 血管異常 気管支の形状 心臓肥大などの発見に役立つ検査です。
胸部CT検査
※提携医療機関にて実施
肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など、肺疾患の発見に役立つ精密検査です。
犬アレルギー検査 呼吸器症状(くしゃみ、鼻水、咳、リバーススニージング※)は、一般的にダニ・カビ・花粉などの環境アレルゲンに対するIgEが関与します。

06. 眼疾患に必要な検査

検査名 検査内容
眼圧測定 眼球の内圧を測定します。緑内障やぶどう膜炎などの発症の診断を調べます。
眼底検査 眼の奥まで見る検査です。網膜や視神経乳頭の状態の観察が可能です。
シルマー涙試験 涙の分泌量を測定する試験です。乾性角結膜炎など、涙が少ない場合に行います。
フルオレセイン染色検査 角膜表面の傷の有無等を調べる場合に行います。
超音波検査 眼の内部を観察するための検査です。網膜剥離、眼内の腫瘍の有無を調べます。
スリットランプ検査 前眼房の状態や虹彩などを調べます。

07. 腫瘍疾患に必要な検査

検査名 検査内容
身体検査 いつからしこりやできものがあり、大きさや形が変わっているのかなどお聞きします。全身チェックやリンパ節の腫れなどの触診を行います。
血液検査
血液凝固系検査
貧血の有無や「肝機能」「腎機能」「膵機能」の状態などを調べます。
尿検査 腎臓の状態などを調べます。
FNA(穿刺吸引生検)
細胞診
しこりなどの病変部の細胞を一部吸引して採取します。採取した細胞を、ガラスの板に吹き付け染色し、細胞の核の形や大きさなどから、がん細胞かどうかを判断します。リンパ腫の診断にも役立ちます。
生検組織の病理検査 病変部の組織の一部を採取して調べる検査を生検(バイオプシー)といいます。組織を調べる検査です。
擦過(さっか)細胞 湿疹のようにただれている状態がある場合、皮膚のただれた箇所をガラスの板に付けて採取し、顕微鏡で調べ、がん細胞かどうかを判断します。
分泌物細胞診 分泌物を採取し、ガラスの板につけて、分泌物の中にある細胞の性質を顕微鏡で調べ、がん細胞かどうかを判断します。
病理組織学的検査
※外注検査
生検や手術などで摘出された組織や臓器を最終的に異常であるか病変が「がん」であるかどうかの確定診断に至ります。
遺伝子検査
※外注検査
遺伝子検査で診断できる腫瘍もあります。
レントゲン検査 肺転移の有無。胸腹部にリンパ腫や他の病気がないか調べます。
エコー検査 超音波などでしこりの位置を確認しながら、しこりなどの病変部の細胞を一部吸引して採取します。肝臓、脾臓などの針吸引検査や骨髄検査を行います。

体の表面や体内にできるしこりやできものは腫瘍なのか?そうでないのか?腫瘍なら悪性腫瘍なのか良性腫瘍なのか?を調べることが重要になります。

08. アレルギーに必要な検査

犬用アレルギー検査
検査名 検査内容
アレルゲン特異的 IgE検査 アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を同定するための基本となる検査です。
リンパ球反応検査 IgE検査では検査ではわからない、リンパ球が反応する食物アレルゲンを検出する検査です。
アレルギー強度検査 アレルギーの病状に関わる血中の細胞を検出します。アレルゲンが特定できない場合でも、アレルギーがあるかどうかを把握することが可能です。
除去食試験(処方食) 主に食物アレルギーが疑われる場合に行いアレルゲンを含まない食事に替えて症状が改善するかを調べていきます。
食物負荷試験 アレルゲンとなる食材を特定する検査になります。アレルゲンと考えられる食材を与えて症状が出るかを調べる検査になります。
猫用アレルギー検査
検査名 検査内容
アレルゲン特異的 IgE検査 アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を同定するための基本となる検査です。

9. 皮膚・耳疾患に必要な検査

検査名 検査内容
被毛検査 皮膚糸状菌症やダニなどの外部寄生虫がいないか調べるために行います。また、毛周期の異常や自然に抜けた毛なのか、噛みちぎった毛なのかを調べます。
押捺塗抹検査
(スタンプ検査)
皮膚表面の病変部にスライドグラスでスタンプをした細胞を染色し、細胞の核の形や大きさなどから、がん細胞かどうかを判断します。また、細菌感染、炎症性細胞、アレルギー性細胞、の有無などを調べます。
皮膚掻爬検査
(スクラッチ検査)
皮膚の一部を削り取り、顕微鏡で観察します。寄生虫を検出するために行います。
ウッド灯検査 皮膚糸状菌症が疑われるときに行います。
真菌培養検査 皮膚糸状菌症が疑われるときに行います。専用の皮膚糸状菌鑑別用培地を使用し、被毛の一部を採取して培養し、真菌の生え方、培地の色の変化で診断を行います。
細菌培養検査 細菌感染が疑われるときに行います。簡易検査と外注検査とあります。
薬剤感受性試験 皮膚病の原因菌に効果のある抗生物質を特定する検査です。
病理組織学的検査
※外注検査
生検や手術などで摘出された組織や臓器を最終的に異常であるか病変が「がん」であるかどうかの確定診断に至ります。
ホルモン検査 副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症がうたがわれる症状の場合に行う院内検査と外注検査とあります。

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